分けて、まとめて。分配法則の使い方【計算の工夫 Vol.2】
こんにちは。スタディーズラボの上田です。
前回は、100に近い数に注目したり、掛け算を分解したりすることで、筆算したくなる問題を暗算で解く方法を紹介しました。
今回は分配法則です。
名前だけ聞くと少し難しそうですが、やっていることはそれほど難しくありません。
ただ、計算の工夫の単元ではできるのに、普通の計算問題になると使わない。これではもったいないです。
どんな数字や式が出てきたら使えるのか、そこまで意識してみましょう。
掛け算を足し算に分ける
23 × 12 =
これを見て、すぐ筆算を書き始めていませんか?
12を10と2に分けると、どちらも暗算しやすい掛け算になります。
23 × 12 = 23 × (10 + 2)
= 230 + 46
= 276
23が12個あるのですから、10個分と2個分を別々に計算して、最後に足せばよいわけです。
これが分配法則です。
ちなみに筆算でも、23×2と23×10を計算して足しています。いつもやっていることに名前がついているだけです。
そして、分け方は足し算だけではありません。
48 × 99 =
99を90と9に分けても計算できますが、せっかく100に近いので、100から1を引いた数と考えましょう。
48 × 99 = 48 × (100 − 1)
= 4800(100なら簡単!) − 48
= 4752
48を100個分にしてしまったので、余分な1個分を引いています。
ここで引くのは1ではなく48です。
前回は足し引きで使った「100に近い」という特徴が、掛け算でも役に立ちます。
98や101が相手でも同じです。きりのよい数まで、あといくつかを見てみましょう。
類題1
(1) 32 × 11 =
(2) 64 × 99 =
(3) 4.8 × 102 =
下に類題の答えがあります。
同じ数があったら、まとめる
今度は反対に、分かれている掛け算をまとめます。
37 × 14 + 37 × 86 =
これを律儀に2回掛け算してから足すのは、なかなか大変です。
どちらにも37があることに注目しましょう。
37が14個と86個。合わせて100個です。
37 × 14 + 37 × 86 = 37 × (14 + 86)
= 37 × 100
= 3700
先ほどは1つの掛け算を2つに分けましたが、今回は2つの掛け算を1つにまとめています。
向きが逆になっただけで、使っているのは同じ分配法則です。
もちろん引き算でもできます。
6.4 × 23 − 6.4 × 13 = 6.4 × (23 − 13)
= 6.4 × 10
= 64
小数の掛け算が2回も出てきたと思ったら、10倍するだけになりました。
そして、少し気づきにくいのがこれです。
57 × 99 + 57 =
最後の57には掛け算がついていませんが、57×1と同じです。
57 × 99 + 57 = 57 × (99 + 1) = 5700
57が99個と、もう1個。
式の形だけで覚えるより、何個分なのかと考えると使いやすくなります。
この「同じ数を見つけてまとめる」という見方は、中学校で文字式や因数分解を学ぶときにも使います。
今の計算が楽になるうえに、後の勉強にもつながるので、ぜひ身につけておきたいところです。
分けるのか、まとめるのか。最初から正解の方法が見える必要はありません。
まずは筆算を書く前に、楽にできる形がないか少し探してみてください。
類題2
(1) 28 × 37 + 28 × 63 =
(2) 72 × 56 − 72 × 46 =
(3) 125 × 79 + 125 =
下に類題の答えがあります。
類題の答え
1.
(1) 352(320 + 32)
(2) 6336(6400 − 64)
(3) 489.6(480 + 9.6)
2.
(1) 2800(28 × 100)
(2) 720(72 × 10)
(3) 10000(125 × 80)

